report

ずっとお使いの愛用者レポート

 

vol.8 Love Kiwari and vintage furniture

 

 

■お話くださった方■

 

三井 幸子 さま

元 インテリアプランニングオフィス「暮らし慧(くらしえ)」 代表 

 

取材サポート : あとりえ美遊 佐野 日奈子さん

カンディハウス ファブリック&レザーコレクション顧問

 

repo_9_01s.jpg

■ご愛用の家具■

【ヴィンテージサービスで、引き取らせていただいた家具】

・KIWARI D テーブル145×145 / レジェンド D アームチェアー

 (ご愛用歴25年 2014年にお引取り)

 

【継続してご愛用いただいている家具】

・レガーロ L センターテーブル、特注玄関収納ケース

(ご愛用歴26年 現在もご使用)

 

【新たにご購入いただいたヴィンテージ家具】

・エイリス D テーブル120×120 / エイリス D アームチェアー、サイドチェアー

・ソフィア L 3Pソファー

 (それぞれ20年以上使用されたものをレストア)

 

[以下三井さまのお話です]

 

~ カンディハウスの家具との出会い ~

1983年からインテリアコーディネーターとして仕事を始め、仕事柄、家具の提案をすることが多く、国内外の家具を見たり触れたりしておりましたが、その中でもカンディハウス(当時はインテリアセンター)の家具には、その品質、デザイン性に特別なものを感じていたものです。当時からカンディハウスの家具を提案することや自ら使用することについては憧れを抱いていました。佐野日奈子さんは、その当時苦楽を共にし一緒に仕事を立ち上げたパートナーです。

 

repo_9_02s.jpg

~ 初めて家具を購入した頃のエピソ-ド ~

1989年に札幌のコーディネータークラブから独立して、中央区にある住まいの片隅で仕事を始め、1年余りたった1990年にはインテリアコーディネートの仕事も順調にいただくようになりました。仕事場が手狭になり近隣の環境も変化してきたことから、自然環境の良い南区の藻岩山の麓にオフィス併用の住まいを新築して移転しました。この建物を私の家族は「藻岩の家」と呼んでいました。

「藻岩の家」のインテリアスタイルは和風モダンと言えるもので、床と室内ドアはナチュラルなシナ材を使い、壁面は生成に近い白で、アクセントカラーに黒を使って構成しました。そしてついに憧れのカンディハウスの家具を入れたのです。

 

repo_9_03s.jpg

「藻岩の家」でのひとこま。


repo_9_04s.jpg

「藻岩の家」リビングの、レガーロ L型ソファーセット

 

75㎡の広さを持つリビングダイニングには、レガーロL型ソファーセット。ダイニングにはナチュラルな天板の中に黒の象嵌が施され脚部も黒で塗装されたKIWARI Dテーブルと、同じ黒で塗装されたレジェンドDアームチェアーをセットしました。これらのチェアーは佐野さんの提案で薄いブルーの張地に薄いサーモンピンクの幾何学模様の入った膨れ織りの布地輸入品をセレクト。チェアーやセンターテーブルの一部にはドットポイントが金属や石で施されており、素材や色やデザインにもコーディネートのこだわりを持っておりました。

夫が長男であることから何かと大勢の身内が集まるうえ、人寄せが好きなこともあって来客が多い家です。ゆったり7人がくつろげるL字のソファーと、1辺が1450mmもある大きな正方形のダイニングテーブルは、ほかの椅子を加えると10人もで囲むことができ大活躍でした。KIWARI Dテーブルは一度、当時道央支店長だった小野さんにお願いして、突板の交換と凹凸のない目止め塗装に修理してもらいました。

 

~ 愛用の家具を手放しヴィンテージ家具を購入することになったきっかけ ~

夫が他界して5年目の2014年の秋、ひとり暮らしの私は子どもたちの勧めもあってマンション生活をすることになりました。移り住むマンションの限られた空間とライフスタイルに合わせてすべての家具の見直しを考えなければならず、私のオフィスでチーフコーディネーターをしていた本間純子さんに助けてもらいリフォームプランを開始しました。大切な仏壇を収める場所の確保等々、仕事から離れて17年余りの私は当時を思い出して心が躍りました。

ある程度、収納やテーブル製作などのプランが進行していた折、カンディハウス道央ショップでのインテリアグリーンの催事に佐野さんから誘われ一緒に伺いました。そのとき案内されたヴィンテージ家具のコーナーで、すぐにエイリスのダイニングセットに目を奪われました。

 

repo_9_05s.jpg

 

repo_9_06.jpg

ナラのナチュラルな木地の天板には小さな四角形の木のドットポイントが施され、脚にV字型に刻みの入ったテーブル。以前のものよりひとまわり小さく、高さも650mmと標準的なテーブルよりもかなり低いのですが、セットされているチェアーに腰掛けてみると私にピッタリだったのです。

 

repo_9_07s.jpg

 すぐに、進行していた収納の仕上げや家具プランを見直し、ヴィンテージのエイリスダイニングセットの購入を決め、今まで愛用していたカンディハウスの家具は引き取りをお願いしました。そのとき、ヴィンテージ担当の白鳥さんから、空間サイズやエイリスのデザインのイメージに近いソファーが出てくるとの情報をいただきました。もちろんそのソファーは、私のもとにあります。マンションに移って1年余り、今私はこれらの家具と暮らしております。

 

repo_9_08s.jpg

ひとりの食事をしながら、食卓の天板に僅かに残っているタバコの焼け焦げ跡をそっと撫でることがあります。今はどこかのお宅で使用されていると聞いたKIWARIのテーブルにも夫がタバコで焼け焦げを付けたことがあったな・・と。

 

repo_9_09s.jpg

20年間このテーブルを使ってこられたご家族の物語の上に、今は私のも加わって、このテーブルの歴史はさらに深くなりつつあるのですが、趣味で蒐集していた大好きな古い焼き物などを置いた部屋との調和も良く、このマンションを初めて訪ねてきた孫が「藻岩の家とちっとも変わらない。おんなじだね・・」と言うほどに私の生活に溶け込んでいるのです。

 

repo_9_10s.jpg

札幌の中心地にあり自然豊かなオアシスである豊平川と藻岩山。

 

~ ヴィンテージ&レストア(家具修理・引き取り・再販売)について ~

今からちょうど30年前にヨーロッパを旅した折、イタリアのフィレンツェの中小路を 散策したときに目にした家具の修理店を思い出します。ガラス越しに見た店の中には、不具合を生じた古い椅子やチェストなどが積み上げられており、その脇には古いシャンデリアもありました。その傍らで初老の男性がチェストの丁番の具合を調整していたのです。私はしばらくその様子を見ていたのですが、そのとき心をかすめたのは、今まで見てきた身近な日本の家具店で、修理をしても使い続けたい家具を売っていただろうかと。

思えば、「藻岩の家」のダイニングセットとリビングセットは25年間使用し、ダイニングテーブルやチェアーは12年目に塗装や張り替えの修理をしてもらいました。そしてそのダイニングセットがどこかのお宅で使われていることにうれしく納得もしているのです。さすがカンディハウスの家具、と。

昨年2015年7月に旭川本社で創業者の長原さんに久し振りにお会いして、ヴィンテージに対する気持ちをお聞きすることができ、あらためてヴィンテージ家具を見て「ほっとした」ことを覚えています。

ものには歴史があります。流行に流されず「いいもの」を継承していくヴィンテージの仕事を、社員の皆さまには誇りに思っていただきたいと願っています。

 

repo_9_11s.jpg

引越しのときにも手放せなかった、お姑様の思い出が詰まった梅花模様の菓子入れ。

 

~ 取材を終えて ~

 

repo_9_12s.jpg

取材中、1990年のカタログを参考資料としてお見せしたところ、製本が取れかかっている部分を「図書館でも使用している補修テープがありますよ」と三井さま自ら手をかけて直していただきました。その細やかなお心遣いに感激するとともに、「大切に受け継がれてゆく物には、魅力があり、使い込まれてさらに歴史が刻まれ唯一の存在になる」という、この価値観をしっかり伝え共有していきたいと改めて思いました。

(道央支店 店長 松本 友紀)

 

repo_9_13s.jpg

特注の玄関収納ケース

 

2010年9月よりヴィンテージ事業を立ち上げて5年が経過いたしました。さまざまなお客さまの思いにふれ、先輩方が築いてこられた信用が今日のカンディハウスを支えていることを実感します。そして今回の取材を通して、長きにわたりインテリアの仕事に携われてこられた三井幸子さんと佐野日奈子さんのお仕事に対する姿勢と歴史を知ることにもつながりました。あらためてヴィンテージ担当であることに感謝し、今は亡き創業者である長原 實氏、当時の支店長であった小野悟氏に敬意を表したいと思います。

(道央支店 マネージャー 白鳥 孝)