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ロカール探偵がゆく

緊急編集 2016年春・特別編

地元はあきらめていたのに!旭川にロカールが?!

 

カンディハウスの第一号製品を探す旅のお話「ロカール探偵がゆく」が、
東京での発見をもって完結して、1年が過ぎました。
平穏な日々を送っているロカール探偵社に、
今日は何やら、タダゴトではない雰囲気が漂っていますよ。
久しぶりにアシスタント氏が廊下を転がっているよう…。

 

アシスタント
せんせ~~~~い、せんせ~~~い(ゴロゴロゴロ~~)!

───── ああ何かしら、懐かしいわこの音。

 

アシスタント
ドスドスドス~
いたたた…喜ばないでくださいよォ。私だってできることなら走りたいんですから。

 


───── で、何ごとなの。

 

アシスタント
またそうやってスグ冷たく用件に入るんだから…(モゴモゴ)。
大変です、ロカールが旭川市内で見つかったそうです!
今、菊池通信員が説明に来ると…。

───── なんですって!あのときあれほど探したのに、見つからなかったじゃないの?

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菊池通信員
先生!申し訳ございません!
私のお客さまで元東海大学教授の版画家、荒井善則先生が
ロカールをご自宅で愛用されておられます。

 

───── なんてコト!すぐに伺わねば!

菊池通信員
ハイ、1時間後に出発の手配をしてあります!ではいったん失礼いたします!

 

(ふたり、去る)

 

─────  やれやれ。こんな近くにあったなんて。
                長原相談役が生きておられたら、さぞ喜ばれたでしょうに。
                思い返せば2年前、「ロカールを探す旅に出たいんです!」と直談判して、この旅が始まったんだわ。

「もう見つからないだろう」と言いながらも、
熱い思いを語ってくれた。

札幌のお客さまを訪ねたことも。
これは途中のSAでの一枚。

お客さまと創業当初の
話で盛り上がって。

アシスタント
せんせ~~~~い、せんせ~~~い!お車が~!

─────  おっと、現実に戻らなくちゃ。

 

(社用車に乗り込む3人)

 

───── 菊池通信員、いつこのことに気付いたの?

 

菊池通信員
それがなんとも不思議なタイミングで…。
昨年(2015 年)10 月に亡くなった長原相談役の社内お別れ会の日のことなんです。
私がカンディハウスの特別なお客さまである「ロイヤルカスタマー」のリストを確認していたとき、
荒井善則さまのページに「2007 年4月ロカール張り替え」と書かれているではありませんか!
そこでようやく、同じ頃スウェデッセという製品をお届けするため、
アーティストらしい素敵なご自宅に伺ったことを思い出したのです。
ちょうど9年前です。

 

───── 長原相談役が教えてくれたんだわ…。

菊池通信員
まったくまったく!
その通りで、「早く気付きなさい」と長原相談役に叱られたような気持ちになりました。
すぐに荒井先生に連絡をして、本日伺うことになった次第です。

 

(荒井邸に到着)

 

菊池通信員
今日は取材をお引き受けくださってありがとうございます。

 

───── はじめまして。ロカール探偵社でございます。

 

荒井先生
「ロカール探偵がゆく」楽しく拝見しましたよ。もっと早くお知らせすればよかったかな。

 

───── 大丈夫ですわ!おかげさまで特別編ができますもの。

一同
あった~~~!ロカール!!!

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しかもキレイ~~。
張り替えてから使い心地はいかがですか?

 

荒井先生
「素材の存在感」とでも言うのでしょうか。やはり本革はやわらかくて体になじむ感じがします。
木目も今の木とは違う味わいがあって、歴史や時間を感じさせますね。

 

───── お求めになったのはいつ頃ですの?

 

荒井先生

もう20 年以上前ですよ。
この家を建てたとき、好きな家具だけを、それもできるだけ地元のものを入れようと思ったんです。
インテリアセンター(現カンディハウス)の家具は
うちの雰囲気に合いそうだったので、フェアにはよく行きましたよ(笑)。

 

───── そこでロカールを見つけられた。

 

荒井先生
ショールームに行ったら、隅の方にロカールが2脚並んでた。
今思えば非売品だったかも知れないな。
そこにちょうど長原さんがいらしてね、この椅子はシンプルでがっちりしていて好きだと言ったら、
インテリアセンターの第一号製品だとおっしゃる。ますますほしくなった。
そしたら「1 脚は保存しておきたいから、こっちだけならいいよ」と、1 脚譲ってくれたんですよ。

 

───── 今はリビングの入口付近に置いていらっしゃる。

 

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荒井先生
腰掛けるより、出掛けるときに荷物を乗せたりが多いね(笑)。
おそらく木部は北海道産のミズナラでしょう。
素材のあたたかさや安定感があって、その意味でも北海道らしい椅子です。

 

───── 張り替えたのは2007 年4月と聞きました。

 

(ここで奥さま登場)

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奥さま
きれいになったときはうれしかったですね。張り替え費用はかかりましたが(笑)。

 

荒井先生
それがね、実は本体を特別に譲ってもらったこともあって、張り替え金額の方が高くなっちゃった(笑)。
あとで長原さんにそのことを言ったら、「そりゃぁそれなりにかかるでしょう」と笑っていらした。
でも僕はやっぱり、第一号製品を大切に使い続けたかったからね。

 

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↑↑↑左はロングセラーの「ラベンダー」シリーズで、インテリアセンター時代のブランド「Hock」のもの。
右は、今回の手がかりとなった「スウェデッセ」。

 

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↑↑↑カンディハウスの精神が詰まった「ロカール」本革バージョン。

 

───── (キョロキョロ)家具は名作や和箪笥以外は旭川のものが多いですね。

 

荒井先生
北海道の家具が好きでね。
僕は長野にも家があって行ったり来たりの生活なんだけど、そっちもほとんど北海道の家具なんです。

 

奥さま
いいものを長く使っていくのは大事なこと。
カンディハウスは今それを広めようとなさってますよね。

 

菊池通信員
長原相談役はいつも言っていました。「本来、家具は耐久消費財じゃない。家財なんだ」と。
だから修理を相談されたらどんなものでも「できます」と言い続けていました。
家具にはご家族の思い出が詰まっていますからね、
難しそうなものでも、とにかく直すことには心血を注いでいました。

 

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荒井先生
このテーブルは一度天板を塗装し直しています。
椅子も割れがあったのをきれいにしてもらった。
ロカールもデラクール(合成皮革)から本革になって、堂々としているでしょう。

 

菊池通信員
この椅子から、いろいろなことが始まりました。
今のカンディハウスがあるのも、ロカールを通して出会った方々のおかげなんだと思います。

 

荒井先生
長原さんは時折パーティで言葉を交わすくらいのお付き合いだったけど、
いつも鋭い目と意識を持っていらした。旭川家具の原点をつくり上げた方。
北海道にこだわり、「素材とデザインと地域」の三位一体の大切さを、そのときすでにわかっておられましたね。

 

菊池通信員
今それらが注目されていますが、時代があとからついてきた感じですね。

 

荒井先生
そうだ、僕が北海道文化奨励賞をもらったとき、あれは2009 年だったな、
デザインギャラリーで個展を開いてもらったことがあったの。
そのとき長原さんが挨拶してくれて、こう言ったのを覚えていますよ。
「東海大学に赴任されたことが、いろいろな人との縁となり受賞につながっている。感謝しなくてはね」。
皆さんの前であえてそう言ってくれる。広い捉え方ができる方ゆえです。
あたたかみのある、心に響く言葉でした。

 

菊池通信員
僕たちは逆に、よく厳しい言葉で指導されました(笑)。
ただ、すべてが正しいんです。
「家具の納品は運送屋に任せてはダメだ、営業が自分で届けに行け、そしてお客さまと顔を合わせて来い」。
もっともなんです。

 

荒井先生
スウェデッセの納品のとき顔を合わせておいてよかったね、こうしてまたご縁ができた。

 

───── 長原相談役の思し召しですね。
                 今日は素敵なお話をありがとうございました。
                 私の好物のフルーツとお茶をごちそうさまでした♪

おしまい